ラベル・シール印刷での形状や納品形態について
「シール」と名刺やチラシといった印刷物は、オーダーの際に大きく異なる点があります。
シールが普通の印刷物と異なるのは、シールの形自体を細かくオーダーできる点です。ご存じのようにシールには台紙とカット部分がありますが、通常は、カット部分をオプションで指定できるようになっています。
この記事ではまず、シールの納品形態をご紹介して、そのあとにデータの入稿方法や、その際の注意点などについて解説していきます。
1シートに複数のシール
1シートに複数のシールが並べられたものは、シールの形態としては、もっともオーソドックスなものといえます。オプションにもお金がかかりません。デザインの大きさにより1枚のシートに並べられるシールの数は異なります。通常、この数はシールをプリントする業者が決めることになります。
この形態のシールは、商品にそのまま貼り付ける商品ラベルや成分表示などに用いるのが一般的です。同じデザインのシールだけを並べるため、一般の消費者向けにノベルティグッズとして配布したり販売したりすることは少々難しいでしょう。
この形態のシールのメリットは、同一デザインを大量発注することで費用を安くすませられること、そしてすべてが同じデザインなので、台紙からシールをはがしやすいことが挙げられます。
デメリットは、配布や販売には向かないことと、シートに並べる枚数を自ら選べないことでしょう。 (可能な範囲で幅や長さのご指定も可能です)
1シートに1枚の四角台紙
1シートに1枚のシールが割り当てられるタイプのシールは、シートが四角形の台紙になっていて、すでにシールはカットされた状態で台紙上に貼られています。1枚ずつ台紙に貼られているので、一般の消費者にノベルティとして配布する場合に使いやすいでしょう。また、イベントや美術館などの入場証・参加証として一人一人に配布するのにも適しています。
ただ、台紙が露出しているため、見栄えがよくないと感じる方もいらっしゃいます。しかし、このおかげでとてもはがしやすいことはメリットだといえます。
この形態のシールはオプション料金がかかるため、先にご紹介した「1シートに複数のシール」の形態でオーダーして、コツコツ切り抜かれる方もいらっしゃいます。
この形態のシールは、さまざまな活用法が考えられます。一般消費者へのノベルティや 販売用、社員・生徒への配布用などのほか、美術館などの施設やイベント、オープンキャンパスなどで入場証代わりに使用されています。
一人ひとりの入場者に、目立つ場所に貼ってもらうことになるので、「配布の際にはがしやすいこと」、そして「退場時にはがしやすいこと」が求められます。粘着力が強すぎるとはがすことが難しくなるため、ちょうどよい粘着力の糊を選ばなければなりません。こちらもオプションになりますが、用途によってオプションを使い分けることは、シールのオーダーでとても重要な要素になります。
この形態のシールのメリットとデメリットをまとめると、メリットは1枚ずつカットされているのではがしやすく、配布しやすいこと。デメリットは少々ルックスに難があることと追加料金がかかることです。
台紙ごと裁断
台紙ごと裁断する形態のシールでは、シールと台紙が同じ形でカットされます。先にご紹介した「1シートに1枚の四角台紙」同様、台紙には1枚のシールしか貼られていませんが、四角形ではなく、シールと同じ形に台紙がカットされているため、ルックスがよいことが魅力です。そのため、シールをノベルティとして配布や販売する場合にとても向いています。シールの形も自由に選べるので、クリエイターにも多く利用されていますが、自由度が高いため、やはりカットの為の専用刃型などのコストはかかりがちです。
配布や販売用のシールなので、印刷用紙も少し凝って、光沢のあるものや耐久性の高いものを選ぶとよいでしょう。質感や美しさを追求したい方は、オプションにもこだわってみると、理想のシールが作れます。質感の高い素材や型押し(エンボス加工)、金箔、ニス加工、ラミネート加工などがあります。
シールをオーダーする際は、オプションを使わなければそれだけコストを抑えることが可能ですが、オプションをうまく利用することで仕事の効率を上げることも可能です。
この形態のシールのメリット・デメリットをまとめると、メリットは台紙とシールが同じ形なのでルックスがよく見えること、デメリットは少しはがしづらいことと、オプションで費用がかさみやすいことでしょう。
四角形裁ち落とし
四角形裁ち落としは、台紙を四角形にカットするのですが、台紙部分はむき出しにならない仕様になっています。そのため、見栄えがよく、販促品や商品としての使用にも向いています。
1枚のシートに、四角形のシールを並べるだけなら、基本的にオプション料金はかかりませんが、オプションを使って、複数デザインのシールをカットして並べたほうが見栄え的にもよくなります。このあたりについては、デザインや用途を考慮して、ベストなものを選択しましょう。
この形態のシールのメリット・デメリットをまとめると、メリットは台紙がむき出しにならないので見た目が美しいこと。デメリットは台紙からシールをややはがしにくいことです。
シールデータの入稿
シールをプリント、制作してもらう際は、形状や形態について考えることも大切ですが、入稿する際にもデータ形式やフォントなどに注意する必要があります。
データ形式
シールのデータを入稿していただく場合、シール本舗では、次のデータ形式をご利用いただけます。
・Adobe Illustrator / Photoshop
AdobeのIllustrator、もしくはPhotoshopにてデータを入稿していただくのがもっともスムーズです。また、印刷用PDFでの入稿も、データが軽くおすすめしています。尚、CS4以下のデータ形式でお願いします。
・JPEGやGIF画像
JPEGやGIF画像をプリントすることも可能ですが、出力の際に画像が粗くなってしまう可能性があります。
・Microsoft Officeのアプリ
基本的には、Adobe IllustratorかPhotoshop、または印刷用PDF(PDF/X)データ形式での入稿をお願いしています。
Microsoft WordやExcel、PowerPointなどのデータでも、Adobeの形式に変換してプリントすることは可能ですが、場合によっては新しく作り直さなければならない場合があります。その場合は有料になります。
画像とフォントの注意点
プリントは、350dpi以上の解像度で印刷するため、それに合わせて入稿していただく画像の解像度も350dpi以上でお願いしています。こうしないと、デザインやフォントの輪郭が崩れたり、ギザギザが目立ったりしてしまいます。また、フォントデータは必ずアウトライン化してください。アウトライン化は、文字化けなどのトラブルを防ぐために行います。
入稿の際の注意点
印刷データを入稿していただく際は、必ず「トンボ」と「塗り足し」をつけてください。データ作成の際に、3mm程度は塗り足していただくことと、レイアウトから文字がはみ出していないかの確認もお願いします。Illustratorでは、設定が適切に行われていないと、デザインがズレたり荒くなったりする場合があるので、特に塗りや透過などの効果については、よく確認してください。
Adobe製品で写真データを使用する場合は、必ずCMYKに設定するとともに、バージョン情報を記入して入稿してください。これは、そのバージョンよりも低いバージョンの場合に処理できない可能性があるためです。
入稿していただく際は、PDFデータの提出もお願いしています。これは確認用として使わせていただきます。
まとめ
シールの形状や種類についてご紹介するとともに、実際に印刷データを入稿していただく際の形式や注意点について解説しました。
シールは、用途に合わせてデザイン、そして形を選ぶことが大切です。特に配布や販売を目的とする場合は、用紙の選択だけでなく、カットの方法やシート状かロール状かなど、納品形態等のオプションの利用を検討すると、思ったとおりのシールに近づけることができるでしょう。